〜 こんなお悩みありませんか? 〜
こんにちは。投資エンジニアの三年坊主(@SannenBouzu)です。
今回は、目標設定をうまく乗り切りたい正社員エンジニアの、このような疑問に答えます。
会社で上司に半年の目標を設定しろと言われたけど、困ったな。営業の仕事みたいに分かりやすい数字もないし、何を書けばいいんだろう。目指したい将来の姿とかもよく分からないし。あまり時間もかけられないので、すぐに使える具体的な例を教えてください。
私自身も、エンジニアとして目指したい姿が決まらないまま、会社での目標設定を何度か体験しました。
しかし、専門的な問題解決に特化したスーパーエンジニアを目指さないと決めたとたん、すっと肩の荷が下りて、目標設定をそれなりに乗り切れるようになりました。
この記事では、正社員エンジニアが目標設定を乗り切る方法と、(乗り切るだけじゃなくて)エンジニアのあなたが得する目標設定のコツを紹介します。
- 半年や1年に一度、会社で目標設定の時期が近づくと少し憂鬱になるエンジニア
- 会社に言われるがまま、惰性で目標設定をしてしまっているエンジニア
- 目標設定を乗り越えつつ、せっかくなら自分のキャリアにも生かしたいエンジニア
エンジニアが仕事で目標設定を乗り切る例
エンジニアが仕事で目標設定を乗り切る具体的な例を紹介します。
「乗り切る」と言いましたが、いったんは「この項目で紹介する具体例の中から、あなたの状況に合わせていくつか選べば、とりあえずそれらしい目標設定が完成するよ」という状態を目指してみます。
成果の目標を定量的に設定する
「具体的に何を達成するか」に焦点をおいた、定量的・計測可能な目標を設定します。
技術スキル
- 資格試験
- 応用情報技術者試験に合格する
- Linux技術者認定試験 LinuC(リナック)に合格する
- 勉強会・研修
- ◯◯勉強会・研修に参加して参加報告
- ◯◯勉強会・研修で発表する
- 自己研さん
- ◯◯分野の技術書を◯か月に◯冊読み進めて学習
- プロジェクト
- コードレビューで業務ロジックに関わる指摘を◯個する
- 1か月で課題チケットを◯個消化する
- など・・・
非技術スキル
- マネジメント
◯◯プロジェクトの日数見積もりを誤差◯%におさめる(※)- メンバーの興味と適性にあったタスクをアサインする
- メンバーへの匿名アンケートで定量化する
- 個人の生産性向上・効率化
- レポート作成にかかっていた時間を自動化して◯%減らす
- 場を設ける
- 勉強会を主催する
- グループ内で知見を共有する会をセットする
- など・・・
※書いておいて申し訳ないですが、個人的には日数見積もり精度はおすすめしないです。
プロジェクトの段階が初期であればあるほど、その時点でできる見積もり(プロジェクトにどのくらいの時間がかかるか)の誤差は大きいことが知られています(不確実性のコーン)。
下のグラフを見ると、「初期コンセプト」(Initial Concept) 段階だと、実際のプロジェクト所要時間の0.25〜4倍くらいのざっくりとした見積もりしかできないことが読み取れます。
引用:プロジェクトマネジャーのための「プロセス設計術」 プロジェクトの本質とはなにか
見積もりを正確にすることよりも、
- 「プロジェクトが持っている不確実性を関係者に理解してもらう」
- 「不測の事態に対応できる余裕を見積もりに加える」
- 「プロジェクトが巨大なときは小さい複数のプロジェクトに分割する」
ことを目指す方が、エンジニアとしては働きやすいと思います。
行動の目標を定性的に設定する
成果の目標に加えて、定性的な行動の目標を立てるのをおすすめします。
コンピテンシー(行動特性)といわれる「高業績者に共通してみられる行動特性」がありまして、要するに「できる人はこう動く」を目標にしてマネしましょうという感じです。
具体例の一覧は、コンピテンシーモデルの項目と行動例の作り方を徹底解説!やコンピテンシーマスター評価項目一覧 | 人事評価システムを見てください。
仮に一覧の中から
「情報の発信:情報を自分なりに追加・修正し、周囲に発信している」
を行動の目標に設定したとすると、半年の間で当てはまる行動ができた事例(例えば、社外勉強会でテスト自動化フレームワークの知識を得た→自社サービスで生かすプロトタイプを作ってチームに共有した)を上司(評価者)と共有する、というような使い方が考えられます。
組織の目標に沿って設定する
所属しているグループやチーム単位で、この半年(や1年)に達成する目標は決まっていませんか?
もし共有されていれば、必ずチェックして、それに矛盾しない個人の目標を立てましょう。もし共有されていなくても、上司や先輩に聞いてみた方がいいと思います。
組織の目標と、自分が目指したい方向性が全く違うことほど、辛いことはないですよね。
たとえば、
アプリケーションをDocker化、Kubernetesも導入して自動復旧するシステムを作るぞ!
そんなの後回しでいいから、早く事業部から依頼された案件を進めてください。トラブルはアラートメール来たら対応すればいいでしょ。
・・・
目標設定は別のところにおとしどころを見つけておいて、新規技術の導入はこっそり試したり、プロに相談しながら自分に合った目標を設定できる組織を探す方がいいかもしれません。
エンジニアが仕事で目標設定する目的を整理する
とりあえず目標設定を乗り切れそうな具体例を見てきました。
ところで、そもそもエンジニアが会社で目標設定をする目的はなんでしょうか?
まず「誰のため?」と考えれば、間違いなく「会社のため」ですよね。「会社のため」だから、会社がわざわざ時間を作って、エンジニアにも目標設定をさせているわけです。
次に「何のため?」ですが、この2つは含まれていると考えて問題ないでしょう。
- 会社が従業員を使って成果を出すため
- 会社が従業員の給料を決めるため
「会社のため」に行う目標設定を「自分のため」にもうまく活用するために、次の2つの質問について考えてみたいと思います。
- 「目標設定をしてあなたの成果に結びついたか?」
- 「目標設定があなたの給料に大きく関わったか?」
会社が従業員を使って成果を出す→「目標設定をしてあなたの成果に結びついたか?」
- 目標設定をしたことで、なにか成果をあげることができましたか?
- 目標を設定したことで、今日一日何をしたらいいか、より明確になりましたか?
- 目標を設定したことすら忘れていませんでしたか?
「できた!」「明確になった!」「忘れていない!」と答えられないあなたは、すみませんがあと1分だけ、読み進めてみてください。
会社が従業員の給料を決める→「目標設定があなたの給料に大きく関わったか?」
平均昇給率が1.8%というデータを参考にすると、月収30万円なら、1年間に300,000×1.8%=5,400円昇給する計算ですね。
目標を設定したことで、この昇給が100万円になったり、逆にマイナス100万円になったりしましたか?
会社に言われたままに目標を設定していただけでは、たいした成果も出ないし、給料もそこまで上がりませんよね。
エンジニアのあなたが得する目標設定のコツ【3つ】
会社に言われたままの目標設定ではなく、あなたが得をする目標設定のコツを3つ紹介します。
プロジェクトに依存しない目標を設定する
たまたま割り当てられたプロジェクトを、ただ真面目にこなしていませんか?
与えられるプロジェクトは、目標を設定する時期には具体的に決まっていないし、優先順位やその具体的な内容がコロコロ変わっていくことが多いです(組織によると思いますが個人的な実感としては本当に多いです)。
だからこそ、プロジェクトに依存しない目標、かつプロジェクトを通して達成できる目標を設定しましょう。
「3年後になりたい姿」を「目標にする人物」の中に見つける
「あなたが得する目標設定」に必要なのは、自分がなりたい将来の姿です。
3年後に自分がどうなっていたいか、そこまで厳密に決める必要はないのですが、おおざっぱなイメージがあると迷いが少ないと思います。
そのために、目標にしたい人を具体的に探してみましょう。
- Step1:今の職場でとりあえず探してみる(いればラッキー)
- Step2:今の職場にいなければ、職場や会社内の人に限らなくてもいい
私の場合は、「自分の商品やサービスを持ち、技術や経験を分かりやすく発信して稼いでいる人」を目標にしました。たとえば、
など。
「三方よし」の目標を設定する
「三方よし」は、「売り手よし、買い手よし、世間よし」という3つの関係者に対して共通の価値を生むという近江商人の心得をあらわす言葉です。
会社で働くあなたは、自分の労働力の売り手です。
自分のためになり、会社(労働力の買い手)のためになり、世間のためにもなる。 会社の目標設定に、そのような視点を持ち込んでみましょう。
たとえば、
「メンバー内で知識を効率よく伝達し、属人性を排除するための文書化」→「機密情報を除いて自分のブログの材料にする」→「ブログの読者に有益な情報を提供する」
「Pythonに関する社外勉強会を運営する」→「テーマに興味がある人に発表・勉強する機会を与える」→「フィードバックを社内チームにも共有する」→「自分自身もPythonの知識や勉強会運営のノウハウを学べる」
「売り手よし」「世間よし」の部分を必ずしも会社に伝えなくてもいいとは思いますが、会社のための「やらされ目標」ではなく自分にとってもメリットがある目標だったら、少しはやる気が出ませんか?
給料が上がる保証はありませんが、少なくとも会社での成果も出しやすくなると思います。
会社の「やらされ目標」から卒業して、快適なエンジニア生活を送りましょう!
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