こんにちは。現役Webエンジニアの三年坊主です。
今回は、エンジニアの働き方に興味がある人の、このような疑問に答えます。
エンジニアとして4年以上、複数のチームに所属しながら働いてきた私が、エンジニアの労働時間や短い時間で成果を出す方法を紹介します。
この記事の内容
- エンジニアの労働時間を紹介します
- 短い労働時間で成果を出す3つの方法
- エンジニアの労働時間を減らす個人の努力には限界がある
エンジニアの労働時間を紹介します
エンジニアの労働時間について、全体的な統計調査の結果と、個人の具体的なデータをどちらも紹介します。
エンジニアの労働時間について現状を理解するために、
- 全体的な統計調査の結果でおおまかな(平均の)イメージをつかんで、
- さらに個人の具体的なデータを使ってより詳細なイメージを知る
のが一番スムーズだと考えているので、是非ご覧ください。
賃金構造基本統計調査(データの取得)
まず、労働時間に関する情報が得られる統計データをみてみましょう。
政府統計の総合窓口にアクセスして、「賃金構造基本統計調査」を探します。
この調査は、統計法に基づく「賃金構造基本統計」の作成を目的とする統計調査であり、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。
今回は平成29年賃金構造基本統計調査の中から、「職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」を使います。
直接リンクはこちら。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001098975&tclass2=000001098977&tclass3=000001098985&cycle_facet=tclass1%3Atclass2%3Atclass3%3Acycle&second2=1
政府統計名 賃金構造基本統計調査
提供統計名 賃金構造基本統計調査
提供分類1 平成29年賃金構造基本統計調査
提供分類2 一般労働者
提供分類3 職種
賃金構造基本統計調査(データの見方)
ダウンロードしたExcelファイルで、「システム・エンジニア」「プログラマー」の行を確認します。
206 システム・エンジニア
○(含まれる職種)システム・プランナー、システム・アナリスト
×(含まれない職種)プログラマー(207)、電子計算機オペレーター(303)
仕事の概要
電子計算機の規模能力を考慮の上、業務を総合的に分析し、より効果的に計算機を利用できるよう、業務をシステム化するための設計をする仕事に従事する者をいう。
説明事項
対象業務の目的、狙い等全体的な検討、分析から、システムの図形化、インプット、アウトプット、ファイルの内容・形式の立案等、プログラミングの前提となる部分を担当する。したがって、知識技能は、プログラマーよりも高度なものを必要とする。
207 プログラマー
×(含まれない職種) システム・エンジニア(206)、電子計算機オペレーター(303)
仕事の概要
主としてシステム・エンジニアによって作成されたデータ処理のシステムを検討して、電子計算機に行わせるプログラムを作成し、操作手順書を作る仕事に従事する者をいう。
説明事項
電子計算機を利用する流れ図を作成し、プログラム言語 を用いて、計算機に利用出来るように流れ図を指令コードに翻訳してプログラムを作成する。時には、簡単な業務の分析を行ったり、自ら、オペレーターの作業に従事すること もある。専ら、コーディングのみを行う者も、プログラマーに含む。
除外
1) 専ら、電子計算機の操作に従事する者
2) 専ら、電子計算機を利用できるよう業務の分析等の仕事に従事する者
企業の規模別に集計されていて、それぞれ労働時間に関する列は「所定内実労働時間数」「超過実労働時間数」の2つずつあります。
総実労働時間数=所定内実労働時間数+超過実労働時間数
とわかるので、この2列の数字を足したものが「総実労働時間数=(1か月で)実際に働く時間」になります。
「総実労働時間数」を職種ごとに計算して、多い順から並べてグラフにします。
「賃金構造基本統計調査」では129の職種があるのですが、労働時間を数字で見る限りでは「特別多くもなく少なくもない」ようです。
また、「システム・エンジニア」の方が「プログラマー」より少しだけ短いですね。
1000人以上の大企業に限ってみても、特にその傾向が変わるわけではなさそうです。
もう一度もとのデータに戻って、「所定内実労働時間数」「超過実労働時間数」をそれぞれ見てみます。
1000人以上の大企業では「所定内実労働時間数」が少しだけ短いですが、「超過実労働時間数」が少し長く、トータルでの実労働時間は他とあまり変わりません。
「賃金構造基本統計調査」から分かるエンジニアの労働時間
- 他の職種と比較して特別多くもなく少なくもない
- 「システム・エンジニア」の方が「プログラマー」より少しだけ短い
- トータルでの実労働時間は企業の規模による差があまり見られない(大企業は「所定内実労働時間」が短い分「超過実労働時間」が長い)
※あくまで平均値なので、この数値より長く働いている人も短く働いている人も大勢います。
個人のデータ(勤怠記録を参考に)
次に、Webエンジニアである自分の具体的なデータを紹介します。
「総実労働時間」はお昼休憩を除いて実際に会社で働いた時間なので、「賃金構造基本統計調査」の「総実労働時間数」と同じ内容になります。
プロジェクトがあまり忙しくなかったり、有給休暇を多く使った月は、その分時間が減っている感じです。
「法定外労働時間」もあわせて見てみます。
法定外なので、会社の「定時」とは関係なく「労働基準法第32条で決まっている『1週間40時間』(『1日8時間』)をどれだけ超えて働いたか」になります。
時期にもよりますが、最近では残業が少なくなってきていて、夜を運動や自分の勉強など有意義に使えています。
「個人のデータ」から分かるエンジニアの労働時間
- 月ごとに波があるが減少傾向
- プロジェクトがあまり忙しくなかったり、有給休暇を多く使った月は、その分時間が減っている
- 「賃金構造基本統計調査」で見た平均値よりは少し少ない
エンジニアの労働時間について、全体的な統計調査の結果と、個人的な具体例をどちらも使って紹介しました。
短い労働時間で成果を出す3つの方法
エンジニアの労働時間について気になるあなたは、「できることなら長時間労働を避けたい」と考えているのではないでしょうか?
労働時間を減らして成果を出す方法を身につければ、難しくないかもしれません。
この項目ではそのような方法を3つ紹介します。
せっかく働くなら、短い労働時間で同じ成果を出せる「効率のいい」働き方ができる方がいいですよね。
成果
ここで目指すのは「求められる業務や役割+αを果たすこと」くらいにしておきます。
というのも、卓越する成果の出し方に興味があって、実際にそれを実行できる人は、労働時間を気にする前に対象に熱中して取り組むのではないかと思いますので…
午後3時に仕事が終わるようにスケジュールを組む
定時よりも前に仕事が終わるようにスケジュールを組みましょう。たとえば午後3時など。
定時まで時間をかけて仕事をしなければ、労働時間を減らして同じ成果をあげられることになります。
メリットも多いです。
- 突発的な作業が発生してその対応に時間を取られたとしても、予定通り仕事を終えられる可能性が高くなる
- 自己肯定感にもつながる
- 予定した仕事が終われば、空いた時間を勉強に使うなど+αにあてることもできる
逆に「朝仕事をしないで自分を追い込む」形で労働時間を減らす方法もあります。お好みで試してみてください。
他メンバーへの確認を早めに行う
エンジニアの仕事に限らないことですが、1人の都合で完結する仕事はあまり多くありません。
時差のある拠点にいる海外メンバーと働いた経験をへて特にそう思うのですが、コードのレビューや仕様のディスカッションなど他メンバーとの確認が必要な内容は早めに手を打っておきましょう。
早めに確認をしておかないとそのせいで自分の仕事が進まず、時間ばかり過ぎていくということが起こります。
お昼ご飯を食べ過ぎない
「お昼ご飯食べ過ぎない」はかなり実感してます。
・白米を減らす
・油ものを減らす
・一品減らす強めのウォーキング(または軽めのジョギング)を食後に入れるのも、(度が過ぎるとよくないですが)食べすぎを防ぐ意味では効果的だと感じます。 https://t.co/mVuX0epn52
— 三年坊主🐤投資エンジニア👩💻 (@SannenBouzu) July 26, 2018
「人間の集中力には限界がある」。
当たり前ですが、1日8時間の労働契約を結んでいるからといって、その8時間じゅうずっと同じ集中力を保って同じ質のアウトプットを出せるわけがないですよね。
限界がある集中力を少しでも有効活用するための一つの方法として、最近は「お昼ご飯を食べ過ぎない」を実践しています。
特に、お昼ご飯で基本的に白米を食べなくなってから、午後眠くなることがずいぶん減って、眠気のあまり作業が進まない無駄な労働時間を減らせている実感があります。
以上、3つの方法を参考にして、同じ成果を短い時間で出せる「効率のいい」働き方を目指していきましょう。
エンジニアの労働時間を減らす個人の努力には限界がある
エンジニアの労働時間が気になるあなたにとって、最後に少しだけ残念な話をした方がいいかもしれません。
これまで正社員としてエンジニアで働いてみて、労働時間を減らす個人の努力には(もちろん無意味ではないものの)限界があると感じています。
その理由は、エンジニアの労働時間は、環境によって左右される部分がかなり大きいからです。
「みなし残業」や「裁量労働制」
「みなし残業」や「裁量労働制」が導入されている企業では、従業員に多少の残業をされても人件費が変わらないので、経営者の側からすれば「短い時間で働いて成果を出して欲しい」と働きかけるモチベーションが減ります。
- 「みなし残業」:最初から◯時間分の残業代が給料に含まれている
- 「裁量労働制」:いくら働いても残業代がつかない
「仕事が仕事を呼ぶ」
個人の責任範囲が明確に決まっていない場合、「ある仕事を終えると待っていたように次の仕事がアサインされる」ことがあり、労働時間が増える結果になることもあります。
「仕事が仕事を呼ぶ」ことについては、もちろんいい面と悪い面があると思っています。
◯:重要な仕事を任されてスキルが身につく好循環
×:担当者が明確に決まっていない雑用的な仕事を任されることもある
仕事の内容や自分の考え方次第だと思います。
個人的には雑用を嫌だと思ってしまう節がありましたが、その雑用から何かを得られると思うなら真剣に取り組んでチャンスをつかむのもありかもしれません。
労働時間が減るのは会社が制度を変えた時か自分が環境を変えた時
労働時間を減らしたい場合、会社が制度を改善するのを期待する方法もあるでしょう。
「健康経営」に取り組む企業が話題になっています。
別の視点で見ると、そのような企業が話題になるということは、「法規制にひっかからないようにする消極的な対応にとどまる企業も多い」とも言えないでしょうか。
労働時間を減らす個人の努力には限界があります。
短い労働時間で成果をあげる努力はしつつも、自分の力だけではどうにもならないと感じる場合には、上司や同僚に相談したり、環境を変えるという意味で転職やフリーランスへの転身を検討することも必要かもしれません。