こんにちは。投資エンジニアの三年坊主(@SannenBouzu)です。
今回は、トラリピの含み損(評価損)が急に増えた人の疑問に答えます。
トラリピの含み損(評価損)が急に増えた。基本的にほったらかしで運用できるように最初に設定したつもりだけど、実際に相場が動いて含み損が増えたので少し不安。ロスカットされずに運用を続けるには、損切り以外にどういう方法があるかな?
私自身、トラリピを使ったFX自動売買を7か月以上続けており、これまで順調に利益を積み重ねていました。
幸い、記事執筆時点では時価残高はプラスですが、2019年がはじまってからの相場の瞬間的な急落(フラッシュクラッシュ)により、10万円近くあった利益は一時3万円程度まで落ち込みました。
この記事では、トラリピの含み損が増えた時、強制ロスカットされずに運用を続けるための方法・対策を検討し、私の口座で実践した事例を紹介します。
必要以上にリスクを取りすぎず、トラリピの運用を長期的な目線で続けましょう。
- トラリピで含み損が急に増えて不安になった方
- トラリピで含み損が増えた時の対策を知って柔軟に対応したい方
トラリピ設定と運用方針【含み損が増えた現状を整理】
事例として私のトラリピ設定と運用方針を紹介し、含み損が増えた現状を整理します。
設定:元手70万円・通貨は米ドル/円・NZドル/米ドルの2ペア
元手70万円で、以下のようにトラリピを設定していました。
米ドル/円
新規・買い注文 | 新規・売り注文 | |
注文方法 | らくらくトラリピ | らくらくトラリピ |
通貨ペア | USD/JPY | USD/JPY |
注文金額 | 0.1万(通貨) | 0.1万(通貨) |
レンジ | 100.40〜110.00 | 110.40〜120.00 |
トラップ本数 | 25本 | 25本 |
利益金額 | 1,000円 | 1,000円 |
決済トレール | 設定する | 設定する |
NZドル/米ドル
新規・買い注文 | 新規・売り注文 | |
注文方法 | らくらくトラリピ | らくらくトラリピ |
通貨ペア | NZD/USD | NZD/USD |
注文金額 | 0.1万(通貨) | 0.1万(通貨) |
レンジ | 0.6010〜0.7000 | 0.7010〜0.8000 |
トラップ本数 | 100本 | 100本 |
利益金額 | 8ドル | 8ドル |
決済トレール | 設定する | 設定する |
元手70万円で開始したので、10万円以上の利益が確定したことになりますが、含み損(「評価損益」の欄)がマイナス7万円以上になっています。
通貨ペアごとの保有ポジション状況です。
トラップ本数が多いNZドル/米ドルでより多くのポジションを持ち、その分含み損も大きくなっています。
米ドル/円
NZドル/米ドル
スワップポイントについては、米ドル/円は「買プラス売マイナス」、NZドル/米ドルは「買マイナス売マイナス」となっていて、要するに米ドル/円の買いポジション以外は持っているだけで日々スワップの支払いが発生する状況です。
運用方針:手間をかけずにそれなりの利益を得たい
トラリピを6か月使った私が紹介!サービス・評判・口コミを徹底解説で説明したように、「一度設定すれば、あとは利益の出る注文を自動で繰り返してコツコツ稼いでくれる」のがトラリピの大きな魅力です。
もちろん、他の資産運用と同じように、トラリピでも利益が出ることを100%保証はできないのですが、実際、6か月間は最初の設定を一度も変更することなく、仕事をしている間にも、寝ている間にも、トラリピが自分に代わって順調に利益を積み重ねてくれました。
これから先も、毎日相場を確認してトラリピの設定を頻繁に変えるようなことは、あまり現実的ではありません。
トラリピの含み損が増えた!ロスカット対策を洗い出す【損切り以外も検討】
トラリピの含み損が増えた時に、自分は何もしなくていいのか?何かするなら何ができるのか?
強制ロスカットによって市場から退場させられないための対策を洗い出しましょう。
対策①:損切りする
一つ目の対策として、自ら損切りして含み損を確定させることで、強制ロスカットを防ぐことができます。
損失を最小限におさえられるのがメリットですが、損切りした後に相場が回復した場合には、得られたはずの利益をもらい損ねることになりますね。
対策②:トラリピ設定を変更する
二つ目の対策は、トラリピの設定を変更することです。
既存のトラリピ設定を変更するほかに、トラリピ設定を追加・削除することも可能でしょう。
「トラップ幅↑・トラップ本数↓・トラップ1本あたりの通貨数↓」などが、ロスカットへの対策に効果的です。
対策③:資金を追加する
三つ目の対策として、トラリピの口座に資金を追加することができます。
長期的な目線でトラリピの運用を続けていくなら、一時的に資金を追加して維持率を上げるのは非常に有効な方法です。(相場がじゅうぶんに回復したら、追加した資金を引き上げてもいいでしょう。)
資金を追加できるように、余裕資金を常に残しながら運用することが大切です。
【参考】一部損切りして現在の値付近に買いトラリピを入れる「塩漬けポジション一部損切り」のメリット・デメリット
引用:塩漬けポジション「一部損切り」のメリット・デメリット | M2TV
今回のように含み損が増えた状況に対して、トラリピを運営するマネースクエア公式動画では、相場が落ち込んでしまい回復するのを待つ「塩漬け」ポジションを一部損切りする手法を紹介しています。
「減らした買い(売り)ポジション分で新しく現在の値付近に買い(売り)を入れる」というシンプルな方法なのですが、動画で紹介されていたメリット・デメリットを整理します。
メリット
- 損失リスクを増やすことなく現在の値付近で収益チャンスが生まれる
- (現在の値付近に収益チャンスが生まれるため)時価残高の回復を早める効果がある
- 簡単に実践でき、日々スワップ支払いが発生している場合に特に有効
デメリット
- スワップの受取額が損切り前と比べて少し減る(スワップを支払っている場合は支払いが減る)
- 相場が戻ると時価残高の回復が遅くなるゾーンが発生する→対策:相場の戻りに合わせてトラリピをシフトする
- 一部損切りの量を増やすと、回復が遅くなるゾーンへの影響度が大きくなる
「損失リスクを増やすことなく」
損切りによって、現金残高が減りますが同時に含み損も減るので、時価残高は変化しません。全体のポジション量を損切り前と同じにすると、損失リスクが増えません。
トラリピの含み損への対策実践事例【自身の運用方針に従う】
以上を踏まえて、自身の運用方針に従って含み損に対応した事例を紹介します。
繰り返しになりますが、運用方針は、「手間をかけずにそれなりの利益を得たい(毎日相場を確認して取引するのは難しい)」というものでした。
米ドル/円の通貨ペアについては、現状で持っているポジションがあまり多くありません。トラップ本数も25本と少ないので、今後も多くのポジションを持ちにくいと考えます。
NZドル/米ドルの通貨ペアについては、0.65ドル以下で長期間のレンジ相場を形成しないと予想しています。
「バンク・オブ・ニュージーランド(BNZ)は、2019年のNZドルの対米ドル相場が0.67 〜0.70ドルのレンジで取引されると予想。2019年末から2020年にかけて緩やかに上昇するとみています。」
引用:2019年の豪ドル、NZドル | マーケット情報(FX) | FX – マネースクエア(M2J)
実践①:30万円の資金追加
まずは、余裕資金のうち30万円を追加することにしました。
「クイック入金」を使うと、夜間・休日でもほとんど一瞬で入金が反映されます。
実践②:トラップ本数を減らす
次に、NZドル/米ドルのトラップ本数を減らします。
0.6010 ~ 0.6500に設定していた50本をなくすことで、相場が0.6500を下回るほど一時的に悪化しても、含み損の原因となる新たな注文が入りません。
実践③:少額の損切り(①②で効果が現れたため未実施)
トラリピの取消と決済を行って、「塩漬けポジションの一部損切り」を0.5万通貨ほど試そうかと思いましたが、実践①②で以下のような結果が出たので、現状では実施していません。
結果:維持率が向上し相場も回復、ただし油断は禁物
含み損は変わりませんが、維持率が700%台になりました。
翌日、維持率はさらに向上し、含み損もマイナス4万円台まで回復しています。
実践直後
翌日
引き続き油断せず、ただしあまり手間をかけずにトラリピでコツコツと利益を積み重ねていきましょう。